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続はじめるUML 第7回
2006.9.1 掲載
アドバンスト受験の体験記
今回は予定を少し変更して、OCUPアドバンスト試験の受験体験記をお送りします。インターメディエイトに合格し、これからアドバンストを受験するために受験勉強をされている方や、企業での人材育成を検討されている方、人材や協力会社の評価をされている方などに参考にしていただければと思います。

◇試験範囲と対象者
アドバンスト試験の試験概要については、「OCUPとは」のページをご参照ください。このページでは、アドバンスト試験の主な対象者として「UMLモデルの変換といった応用的な利用方法をとる開発者、ツール開発者、アーキテクト」とされています。これは、OCUPの3つのレベル(ファンダメンタル、インターメディエイト、アドバンスト)の中でも、特にMDA(モデル駆動型アーキテクチャ)を利用する際に必要になる知識に関する問題が多く出題されるためでしょう。「試験概要」のページから参照できるアドバンストの試験範囲は次のようになります。

No.
題目
出題率
1.0 クラス図(アドバンスト) 5%
2.0 コンポジット構造図(複合構造図)(アドバンスト) 10%
3.0 コンポーネント図(アドバンスト) 5%
4.0 アクションモデル(アドバンスト) 10%
5.0 アクティビティ図(アドバンスト) 15%
6.0 配置図(コンポーネントを含む) 15%
7.0 ステートマシン図(プロトコルステートマシン) 10%
8.0 その他の高度な構造と図の表し方 10%
9.0 言語構造 10%
10.0 OCL(オブジェクト制約言語) 10%

UML2.0で新しく加わった高度な記法やメタモデル、オブジェクト指向におけるソフトウェア開発に関わる深い概念について出題されるのが特徴的で、前述したMDAに関係するスキルを試すだけではなく、UMLのスペシャリストのための資格と言うことができます。
また、最近では設計以降を海外で行うオフショア開発が多くなっているようです。例えば、海外の企業を評価する際に、アドバンスト資格を取得している技術者が在籍しているかどうかがひとつの指針になるでしょう。OCUP試験は国際的な資格ですので、中国やインドでも取得することが可能です。アドバンスト資格を取得している技術者がいる企業であれば、UMLに対して積極的であることがわかりますし、アドバンスト試験が主に対象としている、より詳細な記法や、OCLによる詳細な制約情報を正確に読み取ることで、仕様の伝達が効率化されることが期待できます。

◇試験対策
OCUPのアドバンスト試験対策に特化した書籍は、残念ながらまだ出版されていないようですが、最近ではUML2.0に対応した日本語の書籍も多く見つけることができますので、「認定書籍」のページを参考にしてください。また、「トレーニングスケジュール」のページから参照できるトレーニングは、いくつかアドバンスト向けのものが開催されているようです。
やはり何と言っても、最も確実な試験対策方法は、UML2.0の仕様書を読んで理解することです。アドバンストは、他の2つのレベル(ファンダメンタル、インターメディエイト)と異なり、スーパーストラクチャーだけではなく、インフラストラクチャー、OCLといった他の仕様書からも出題されるので注意が必要です。
先日テレビで「お絵かき記憶術」なるものが紹介されていました。ただ単に文章を読んで暗記するよりも、文章に書かれている内容をスケッチブックに絵で描くことによって、より早く記憶することができるといったものです。UMLの場合も、モデリングツールで実際にモデル要素を使ってみることで、同じような効果が得られると考えられます。仕様書の内容を一度頭で理解し、別の形で表現することによって、印象がより強く残ります。また、UMLが本来持っている視覚に訴えるという特徴は、この学習方法に向いていると言えます。
例えば、UMLのモデリングツールであるパターンウィーバーで、仕様書を見ながらいくつかのモデルを書いてみるのはいかがでしょうか。

図1 - 配置図の例>>画像を大きく表示

図1は配置図をパターンウィーバーで記述した例です。配置図はUML2.0で新しくなり、より細かな記法が標準化されました。
パターンウィーバーは配置図だけではなく、アドバンストの試験範囲にある他のモデル要素にも対応しています。図2はパラメータ化されたパッケージの例です。

図2 - パラメータ化されたパッケージの例>>画像を大きく表示

また、パターンウィーバーの次期リリースであるバージョン2.2では、図3のようなコンポジット構造図の一部であるコラボレーションについての機能強化も行われています。

図3 - パターンウィーバー2.2のコラボレーションの例>>画像を大きく表示

◇試験内容
試験問題は58問以上が出題されます。合格には全体の50%の得点が必要なため、最低でも29問に正解しなければいけません。試験時間は90分で、1問につき1分〜2分程度かけてよい計算になります。試験時間は決して余裕があるわけではありません。参考までに、私の場合をお伝えすると、少し考えながら解答していくペースで進め、全ての問題の解答を終えた時点で30分が残っており、残りの時間を見直しや熟考に費やしました。
特に印象に残った問題は、普段の設計においてもよく利用される要素である関連クラスや、配置図などの問題です。プロトコルステートマシンや、情報フロー図(Information Flow Diagram)などのUML2.0で新たに加わったダイアグラムや、UMLの言語構造であるメタモデルについても出題されました。その他、OCLやモデル操作を行うアクションについての問題は、MDAを意識した内容であると感じました。
アドバンスト試験の出題範囲は広いのですが、そのうちの最も価値の高い知識や考え方、勘違いしやすいことなどについてピンポイントで出題されているという印象を受けます。

◇おわりに
UMLが利用される場面が増えるにつれて、UMLを利用するためのスキルも高度なものが求められるようになってきました。
しかしながら、忘れてはいけないのは、UMLは道具のひとつであり、TPOに応じて使い分ける必要があるということです。例えば、不必要な場面でOCUPアドバンストが範囲としているような専門的な記法を無理に多用し、ダイアグラムを極限まで厳密にすることは、時間の無駄使いになってしまいます。この判断には、UMLやOCUPが対象としている表記法に関する知識だけではなく、モデリングの経験が必要になります。
モデリングの経験者が必要な場合や、UMLを拡張して利用するなど、アドバンスト試験が対象としているような高度な知識が必要な場合は、コンサルティングなどのサービスを利用することが可能です。

次回はケースタディのシステム設計工程をお送りします。


■筆者紹介
株式会社テクノロジックアート テクニカルデプト モデリンググループ リーダー
照井康真/Koma Terui

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